渋谷マークシティ南
銀座の若大将(1962年 東宝)
若大将ロードワーク中のシーン。一目瞭然の場所だが、とんでもない間違いをしていたので、それも含めて報告する。
坂を上る若大将と自転車で追う江口。 F01
中央白いのが若大将。はるか後ろの赤いのが江口だ。オレンジ色の車両が地下鉄銀座線。坂の左側は銀座線の車庫になっている。マークシティーができるまでは、こんなに見晴らしがよかった。
地図上ではこの辺りになる。
さて次が大間違いした問題のシーンだ。
宏が与太者に絡まれている所に遭遇。P01
次にカメラは通り過ぎた(この時点ではそう思った)若大将の後姿を映す。上の画像左側で宏が与太者に絡まれているのがわかる。
さてこの赤い線だが荻窪東宝様が引いてくれたものだ。私も荻窪東宝様も画像を合わせる際、映画の画像に目印となる線を引き、その上に現地撮影の画像をのせ透明度を下げながら画像を縮小拡大し合わせるという方法をとっている。
周辺の建物は全く変わってしまったが、道路の傾斜角度がほとんど同じになっている。これにより荻窪東宝様からも「お墨付き」をいただいたと考え、あとは公開の準備に入ったわけだが、次のシーンで「こりゃ違うな???」と思った。
与太者を追い払ってくれた若大将にお礼を言う宏。P02
ここで一番問題なのが、宏の右肩奥に見えるオレンジ色の車両、F01でも写っていた銀座線の車両だ。
ではここまでを地図上で見てみる。M01
間違いにお気付きだろうか? P02のカメラ位置からの撮影だと、藤色➡方向に銀座線の車庫や車両が見えないとおかしいわけだ。
「じゃ一体どこ?」となるわけだが、地下鉄車庫が見えてることから、近所であることは間違いない。
では一度P01を検証してみることとする。
P01検証画像。P03
あまり大したものは無いが、しいて言えばホテル一楽の看板ぐらいだろうか。看板の付いた建物が一楽かどうかはわからないが、昭和43年の住宅地図で探してみたところ、すぐ近くに一楽を発見。これをもとに地図に落とし込んでみた。
昭和43年住宅地図 M02
若大将は、まっすぐ坂を駆け上ったのではなく、坂の途中を左折し宏がチンピラに絡まれている所に遭遇したわけだ。ホテル一楽の看板のある建物が、一楽であることもわかる。またこの位置だと宏の右肩越し藤色➡方向に銀座線の車庫がバッチリ見える事になる。ただこの空き地となっている薄茶色の一角、ここに建築物が何もなければの話だが・・・・・
ではもう1枚この作品公開の1年後、1963年の空撮でこの空き地となっている一角の状態を見てみる。
1963年Goo空撮。M03
茶色の枠内が空き地とされている場所だ。北東角に木造の建物らしき屋根が確認できるが、それ以外の建造物は見当たらない。この状態なら藤色➡方向に銀座線の車庫は確実に見えるだろう。
以上のことから宏がチンピラに絡まれた場所はここ、現在「渋谷運転事務室(M01参照)」のある場所と特定する。多分東京メトロ関係の施設だろう。
では最後にこの場所のFlash画像を見ていただく。撮影は荻窪東宝様にお願いした。
宏が与太者に絡まれている所に遭遇。F02
さて、これにて一件落着となるわけだが、F02場所については、2013年7月10日に東京「あの場所は?」秘宝館様が特定されている。それなのにあえて公開したのは、「自らの間違いは、自ら公表して正す!」という私の基本姿勢に沿ったものである(笑)
〔このシーンの出演者〕
・加山雄三 ・江原達怡 ・堺左千夫
〔ロケ地情報〕
名称:渋谷マークシティ南沿いの坂及び渋谷運転事務室
住所:東京都渋谷区道玄坂1-14-1(渋谷運転事務室)
交通:京王井の頭線渋谷駅下車すぐ
現地撮影:2014.01.19
F02は2014.12.29 荻窪東宝様撮影